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Vol.43 コロナに感染した

8月末に出張した後、微熱があり、体のだるさを生じた。1週間前から妻が風邪気味であった。月曜日、火曜日と1日仕事をしたのだがだるさが取れないのである。お盆休みや台風のおかげで仕事を休ませてもらった。2週目は月火水木といつもの通りに仕事をしたが疲れが取れないのである。医者になって50年、風邪などの病気で休んだことはなかった。風邪気味になっても食事をして睡眠をしっかり取ると重症化しないで回復したものである。この風邪は75年の人生で初めての症状である。PCR検査などはしないが、私の身体は、「きっと今流行の新型コロナであることは間違いがない」と言っている。金曜日から1週間は半日仕事をし午後は帰してもらった。患者さんには悪いが急遽休診にしたのである。しかしなかなか体力が回復しない、80%ほどは戻っているのであるが、20%ほどが自分の身体ではないのである。食事の量も減った。体重が2キロほど減ってきた。またもう一つ、私の健康のバロメーターである酒が欲しくないのである。飲みたいと言う気持ちが起こらない。本当に病気である。

 最初の頃は解熱剤、風邪薬を服用したが、症状は変わらないので途中でやめて、回復をまった。何十年ぶりであろうか、氷枕を取り出し、頭を冷やしながら眠った。それほど熱はないのであるが、気持ちが良い。妻と二人でよく眠った。

 1週間、半日の仕事をさせてもらい、火曜日の当直を金曜日に変更してもらった。3週目の金曜日からフル稼働にした。午前外来の後、午後手術3例、夜乳癌の勉強会に出て、当直をした。翌朝少しだるいがそれほどの重症感はなかった。土曜日の午後5時まで診療である。幸いなことに日曜日がある。また月曜日は敬老の日で仕事は休みだが、透析を行っているので日直をしなければいけない。ご飯も食べられる様になってきた。仕事のない日直はやることがないので、かえって疲れるのであるがコロナとは異なる。仕事を終え夕食の時に3週ぶりにビールを飲んだ。まだおいしいとまではいかないが、飲めたのでついに回復してきたことを実感した。mRNAワクチンを信用していないので1回も接種していない。当院のスタッフも3回まではクリニックで集団接種をしたが、副作用を訴えるものが増えてきたこと、接種しても感染する人が増えてきたことで4回目以降の接種はしなくなった。

 皆忘れているが、2020年ワクチン接種の前には「有識者」と称する人々は「国民の8割が2回接種をすると集団免疫ができて感染は収まる」と話していた。しかし接種をしても感染する人が増えたことでゴールポストを移動させてきた。「ワクチンを接種をしても感染することはある。しかし重症化予防になる」と意見を変えてきた。その上「2回接種しても効果が半年以下なので、3回目の接種をすべきだ」と意見を変えてきた。その上4回目、5回目、6回目接種を呼びかけている。また2022年から流行してきたオミクロン株はデルタ株までのコロナと異なり、重症化しないのである。沖縄県のコロナで死亡した人の数は沖縄県で大腸癌で亡くなる人の80%ぐらいでしかない。この様に癌より死者の少ない流行病はないと思う。

 ワクチン接種で亡くなった人は日本全体で1900名ほどいる。ワクチンの危険性を発信しないで接種を進める「有識者」とはいかなる存在なのか。ファイザーの治験段階のデーターで『ワクチン接種後の死亡率は2.9%、副作用は1291種類ある』ことが公表されている。医者になって50年になるが新しい薬が出てきた時に、その効能書きに副作用の率は出てくるが、死亡率を記載した新薬はなかった。死者が5−10名ほど報告されたら、薬は再度検討しなおしで、市場に出てくることはなかった。2.9%の死亡率のある薬がなぜ市場に出てきたのだろうか。

 私の大学の同級生はメールで連絡を取り合っている。有名大学の名誉教授たちも混じっているが、この中でも2022年から「本当にワクチンを3回も4回も接種して大丈夫か」と言う意見が出てきた。世界中の論文を精査して報告する者も増えてきた。

 最近の論文でもコロナは自然感染の方がワクチンより免疫が強くなると報告されているらしい。ワクチンでも麻疹(はしか)の様に終生免疫が獲得できる様なものもあるが、風邪の様に変異の激しいウィルスのワクチンの効果はどのくらいあるのか、あまり報告を見ない。今年の流行はこのタイプであろうと予測してワクチンを作るのでハズレもあると思う。一方でmRNAを使ってインフルエンザワクチンを作ると言う話もある。

 mRNAワクチンは加工されているので体の中で長いこと流動して、卵巣や肝臓などいろいろな臓器に長く留まっているらしい。mRNAは遺伝情報を運ぶものである。遺伝子組み替えの大豆を食べない人たちが、遺伝子関連の注射を受けていると言う矛盾はどうしたことか。mRNAワクチンは2003年にサーズが流行した時に作られたが、動物実験で動物が死亡するので人に注射する事をやめたと言われている。今回初めてmRNAのワクチンを人に注射をしたのである。今元気な人でも、今後どの様な異常が出てくるのか注意深く観察をしないといけない。

 今年のノーベル生理学・医学賞にmRNAを開発した人が選ばれた。癌治療などには役に立つかもしれないが、感染症には役に立つのか、これからの検証が大切である。

 この4年間で学んだことは、これまで言われてきたことの大切さである。自分の体力と免疫力の向上のための努力、運動と食事の大切さと”手洗い、うがい”と言う基本的な感染予防を大切にすることだと思った。昔から風邪の特効薬はないと言われてきた。沖縄ではヒル酒(ニンニク酒)などで体力の回復をはかったものである。

 運動をして元気にやっていこう。

那覇西クリニック 会長
玉城 信光

最終更新日:2023.10.03