エッセイ
Vol.19 マンモグラフィ
最近、新聞やテレビでよくみかける言葉「マンモグラフィ」。外国語ですね。
「マンマ、マンマ」赤ちゃんがお母さんのおっぱいをさがす言葉です。「マンマ」とは医学用語でおっぱいのことなのです。それでは「グラフィ」は?写真を写すというような意味です。あわせて「マンモグラフィ」とは?
そのとおり「おっぱいを写すレントゲンの機械」のことなのです。
患者さんのそばに立ち、一生懸命おっぱいをひきのばして、機械にはさんでいく人達がいます。
「動かないでください」「はい、もう一度です」合計4枚の写真をとる。(上下方向 と横方向)x両方の乳房=4回である。
患者さんは上半身裸なのでクーラーを冷やし過ぎてもいけないのです。放射線技師は汗だくになりながら頑張っているのです。放射線技師は汗だくになりながら頑張っているのです。きれいな美しい写真を撮ってあげなければいけません。おっぱいを選んでもいけないのです。プロは男の“おっぱい”の写真も撮れるのですよ。
いい写真のコンテストもあるのです。わがスタッフは頑張り屋で、コンテストで優勝してしまいました。若い人、年輩の人、いくつかの写真を提示して、形がきれいに撮れているか。ゴミはついていないか。左右のバランスは良いのか。1ミリ以下ミクロの世界の砂粒は見えるのか。なかなかに高いハードルです。
これほどまで努力をして何をしようとしているのでしょうか。これまで乳がんの検診は手で触れて検査をしていたのです。
慣れている人の手でも1センチぐらいのがんを見つけるのは難しいのです。まして手にも触れない小さながんが見つかることはありません。マンモグラフィでは5ミリ程の乳がんやもっと小さながんを見つけようとしているのです。
マンモグラフィでは手にも触れない大変小さな乳がんが見つかるのです。「5ミリのがんがありますよ」と話してもなかなか納得できない場合もあるのです。それぐらい小さながん、ほとんどなおる状態でがんを見つけることができるのです。
プロの放射線技師の撮った写真にはやさしそうに微笑む程度のがんも写るのです。
(2005年7月25日 掲載)
那覇西クリニック理事長
玉城 信光
最終更新日:2005.07.25