エッセイ
Vol.06 はつゆめ
頃は2010年の夏。
ひかり「ベトナムの料理を食べに行こうか」
恵「南アフリカのワインが安いらしいね」
東京で話題の沖縄観光スポットである。
ひかり「沖縄に国際ショッピングセンターと国際レストラン街ができたらしいね。アジア、アフリカから珍しいものが入ってくるフリーゾーンがあるんだよ」
恵「だれが仲介をしているの」
ひかり「沖縄には前から沖縄国際センターというものがあってね、そこで研修をうけた人たちが、いまではその国で市長や政府の偉いひとになっているのだよ」
恵「いまでも国際センターはあるの」
ひかり「もちろん。ただ現在の場所は以前の浦添から普天間に移ったらしい」
恵「普天間といったら昔、基地があったところでしょう。そんなに広いところに国際センターだけではひろすぎないの」
ひかり「技術研修の国際センターの他に、医療援助や保健活動の拠点として沖縄国際医療センターも併設されているのだ。そこではアジアやアフリカから多くの留学生が集まって、大変おもしろいところらしい。また大切なことだが、その中ではアフリカの医師免許証を持っている人も診療ができるし、アジアの医療保険も通用するのだよ。政府も粋なものをつくったものだね」
恵「それが医療特区というものなの?」
ひかり「そうだね、わざと普天間の塀を壊さなかったみたいだね。特別な地域だと指定するのに便利だからね。医療特区プラス沖縄国際センターとそのまわりに国際レストラン街と国際ショッピングセンターがあるのだ」
世界の若者がつどう国際都市普天間である。
ひかり「そういえば、この前タイのチョット先生が東京にきていたね。先生も沖縄で研修をうけたといっていた。沖縄の大ファンらしい」
恵「外務省に行くのにわざわざ沖縄経由でくるなんておもしろいね。帰りも沖縄経由でタイに帰るんだって。玉城さんに会うのが愉しみだといってたね」
ひかり「沖縄はもともとアジアの人とのつきあい方が上手なのさ。アジアの人も肌でそれを感じるのだね。沖縄の人の良さが分かるのだと思う」
恵「人がたくさん往来することは楽しいことなのね。すてきな買い物もできるし、その国の文化や知恵もついてくるから」
『嘉数高台公園で昼寝をすると“ゆめ”がひろがるなあ』
(2003年1月4日 掲載)
那覇西クリニック理事長
玉城 信光
最終更新日:2003.01.04