乳がんの治療法が変わってきた

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沖縄でも乳がんが増えているのを知っていますか?

平成11年度では年間300名程乳がんが発生しています。美味しい食事が乳がんの原因のひとつだといわれています。肉食に片寄ったり、肥満になると乳がんが多くなるともいわれています。肥満や肉食など偏食は中性脂肪やコレステロールを上げて、動脈硬化など や心筋梗塞の原因にもなります。

乳がんは40代から50代に多く発生します。それで国をあげて30代から検診する習慣をつけようと老人保健法のもとで乳がん検診をするように市町村に義 務付けています。皆さんのところにも市町村から検診の通知がきていると思いますが、そのままにしていませんか。もったいないことです。皆さんが納めた税金 を皆さんに還元して、安くで乳がん検診を受けてもらおうという趣旨です。皆さんがその税金を使わなければ他に使われてしまいます。せっかくの機会を逃さな いようにしたいものです。

"がん"という言葉はこわい響きをもっています。"がん"になったら死んでしまうと思っていませんか。乳がんでも亡くなった人の話が多いので、乳がんに なったら死んでしまうと思っている人が多いのです。しかし現実には乳がんの80%は治るのです。

写真1 "えくぼ"ができるとがんの可能性が高くなります
写真1

私はこれまでに977名の乳がんを治療させて頂きました。乳房の"しこり"(おっぱいを触れてみて硬い部分を"しこり"といいます。乳がんは丸い玉のよ うなもので はありません)が2センチ以下を早期乳がんといいます。2センチ以下の人が447名いて、がんが再発した人は8.7%です。すなわち2センチ以下でみつけ ると90%以上は治るということです。しこりの大きさ2センチから5センチの間を2期のがんといいます。2期のがんは373名いましたが残念ながら再発し た人は23.6%います。がんを小さなうちに見つけることが大切です。早期がんの中でしこりの触れないがんを0期のがんといいます。0期のがん64名の中 で再発した人は一人もいません。本当の早期発見とは乳がんが手に触れないうちに見つけることです。

乳がんの検診、早期発見はどのようにするのでしょうか?

写真1のようにまず乳房に触れてみます。硬い感じがしたら写真のように硬い部分のひふを少し寄せて持ち上げてみます。写真のように"えくぼ"ができるとがんの可能性が高くなります。

それをほっておくと写真2のように"がん"が顔をだしてくるのです。3期ぐらいになります。3期になると治る人と治らない人が半々になります。

100%治る0期のがんの見つけかたは?

写真2 "がん"が顔をだしてくる
写真2

病院にいってレントゲン検査や超音波検査を受けて下さい。0期のがんは超音波やレントゲンでしかみつかりません。9月から10月にかけては新聞やテレビなどでがんの話を目にする機会がふえます。がん制圧月間やがん学会がひらかれるからです。

那覇市でも乳がん、子宮がんの検診がおこなわれています。那覇市民で30才以上の女性には市役所から通知がいっていると思います。通知のない方は市役所に問い合わせると検診通知書がもらえます。12月まで検診が受けられます。私の那覇西クリニックでもおこなっています。検診通知書と健康保険証をもって来院してください。

乳がんの検診を受けて安心しましょう。

那覇西クリニック 理事長
玉城信光